vendredi 14 octobre 2011

ミルコ・グルメクさんのこと Dr. Mirko Grmek


Mirko Grmek (1924-2000) wiki fr.


数日前、わたしのブログを見て興味を持つかもしれないとのことで、ミルコ・グルメクさんの新しいサイトやその他のお仕事を紹介するメールが届いた。送り主を調べてみると、やはり研究者でグルメクさんの奥様であることがわかる。グルメクさんに関しては、日本にいる時には知らなかったが、こちらのマスターの時にそのお仕事の一端に接し、幅広い領域での創造的な活躍に感動したことがある。

クロアチア出身だが、1963年からはパリに居を移し、67年にはフランス国籍を取り、パリで活躍された医学史家である。ザグレブ大学で医学を学ぶ前にはレジスタンスに関わっていた。後年、本来の専門とは別に、生れたお国で問題になった民族浄化についても発言されている (Le nettoyage ethnique)。頭と体が絡み合った人生を歩まれた方に見える。

お仕事の一つに Pathocénose という概念を提唱されたことがある。その骨子を現在の理解で大雑把に言うと、病気というのは単独であるのではなく、他の病気との関連で存在しており、歴史的に見ると、ある時点、ある社会での病気の種類に変化はあるが、病気そのものは平衡状態にある、ということになるのだろうか。つまり、ある病気が減ったように見える時には新しい病気が現れることを示唆する考え方になる。この概念をエイズの消長から分析したものに Histoire du sida があり、日本語にも訳されている(「エイズの歴史」)。アマゾンによると、翻訳があるのはこの一冊だけのようだ。

メールに紹介されていたサイトはこの概念をタイトルにしている。すでに、2005年、2008年、2010年と3度に亘り国際会議が開かれていて、これからの発展を期している様子が伝わってくる。グルメクさんのお仕事に関する感想や現在のプロジェクトについて触れながら感謝のメールを出したところである。

La Pathocénose
サイト







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