長い間中断されていました会を、以下の要領で開催することに致しました
興味をお持ちの方の参加をお待ちしております
第9回サイファイ・カフェSHE2016年3月10日(木)、11日(金) 、18:20~20:00
「科学と宗教:オーギュスト・コントの場合」
恵比寿カルフール
案内ポスター
皆様のご理解とご支援をよろしくお願いいたします
« Le hasard n'existe pas, il n'y a que des rendez-vous » (Paul Éluard)
「偶然は存在しない。あるのは約束された出遭いだけだ」(ポール・エリュアール)
第9回サイファイ・カフェSHE2016年3月10日(木)、11日(金) 、18:20~20:00
「ケンブリッジ大学に溢れる憂鬱な悲観論は、イギリスの階級制度の結果であるというのがわたしの見方である。イギリスにはこれまで二つの激しく対立する中流階級があった。一つはアカデミックな(大学人、学問を重視する)中流であり、他方はコマーシャルな(商業中心の)中流である。19世紀にはアカデミックな中流が権力と地位を勝ち得ていた。わたしはアカデミックな中流階級の子供として、コマーシャルな中流階級を嫌悪と軽蔑をもって見ることを覚えた。それからマーガレット・サッチャーが権力を得たが、これはコマーシャル中流階級の復讐でもあった。大学人はその力と威信を失い、商業人がその地位を奪い取った。大学人はサッチャーを決して許すことはなかったし、それ以来大学人は悲観的になったのである」
哲学には、大きく二つの流れがあるように見えます。一つは、大学でやられている哲学 で、体系の構築を目指す哲学です。これに対して、自己の創造や人生を一つの芸術作品にしようとするような生きることに直結する哲学があります。カフェフィ ロPAWLは、長い間劣勢にあった後者の流れの中を歩む予定です。当面の間、生きることに関わる哲学を展開した哲学者の歩みを振り返りながら、そこで問題 にされたテーマをわれわれ自身に引き付けて考え、語り合うことを中心に据えることにしました。このような営みの中で、われわれの生き方に新しい風を吹き込 み、人間存在そのものに対する理解を深めることができれば素晴らしいと思っています。
第2回のPAWLでは、古代ギリシャのエピクロス(341 BC - 270 BC)を取り上げ、その科学と哲学、さらに生き方について語り合う予定です。エピクロスの自然科学によると、この世界は原子と空虚から構成され、何ものの支配も受けることなく原子は「空」の中を動き、偶然によってその動きが乱れた時に「もの・こと」が現れるとされます。彼の哲学はエピキュリアンとして現代でも誤って理解されている場合がありますが、長い間排斥された歴史があります。一体、彼の追及した快楽とはどのようなものだったのでしょうか。その点を理解すると、現代でも色褪せない彼の哲学が浮かび上がってきます。彼の科学、哲学、生き方を中心に講師が30分ほど話した後、約1時間に亘って意見交換していただき、懇親会においても継続する予定です。