jeudi 31 mars 2011

新分野での最初の論文


早いもので日本の年度の変わり目に当たる3月31日になった。今週初め、新しい分野に入って初めて書いたエッセイが受理された。科学論文ではない初めての発表になる。もう2年ほど前に読んだ本について自分の考えをまとめられないかと思い、昨年それを読み直していた。そして今年に入り論文にしておきたい気分になった。今月に入りエディターに問い合わせてみると、OKの返事が来た。早速原稿を送ったところ、この月曜に最終決定が届くという流れだった。実際のやり取りは2週間程度だったが、そこに至るまで1年以上かかったことになる。自然科学の分野に置き換えれば、当て所もなく1年以上実験していたようなものかもしれない。こういう自然発生的なやり方がこの身には合っているようだ。新しい分野での小さな第一歩のようにも感じられ、実に不思議な気持ちだ。

jeudi 10 mars 2011

ローラン・セガラという研究者、古書、殺人 Laurent Ségalat, les livres anciens, et le meurtre


午後のカフェで帰ろうとして立ち上がった時、丁度目の位置にリベラシオンが見える。ぱらぱらと眺めていると有名な研究者が殺人犯か、というような記事がある。

Le sort d’un généticien français repose sur une marche funèbre (08/03/2011)

記事の主人公は、ローラン・セガラ(Laurent Ségalat)というリヨンで研究していた46歳の世界的に有名な遺伝学者とのこと。ピンと来る名前ではなかったので、早速どんな人なのか検索して驚いた。この方の写真を探してみると、見慣れた画像が溢れていたからだ。最初の数枚がご本人のもので、残りのかなりの部分はわたしのブログからの写真である。そこでブログを検索したところ、セガラさんの本が1冊引っ掛かってきた。買ったことは覚えているが、まだ手を付けていない本だったので著者の名前は記憶に残っていなかった。この一冊が Google に拾われていたようだ。

La fabrique de l'Homme : Pourquoi le clonage humain est inévitable (2008)


ところで、事の経過はこんな具合だ。ローランさんの父親は5万冊にも及ぶ希少本、古書の収集で有名で、スイスのローザンヌで書店を経営している。現在70代半ばで、健康を害している。ローランさんも研究の傍ら、そこで仕事もしていたという。事件は昨年1月、ローランさんがローザンヌ郊外の父親宅で継母が血まみれになっているところを発見し、明らかになった。警察への連絡もローランさんがしている。盗みの形跡もなく、状況証拠からローランさんが捕まり、現在まで身柄を拘束されている。ただ、はっきりとした動機はわからず、今後の裁判の行方に注目が集まっているという事件になる。