dimanche 29 mai 2011

あるレストランのこと、辻邦生という作家のこと


La Maison de Verlaine
(39, rue Descartes, 75005 Paris)


昨夜のこと。一夜明けると、その始まりはもう思い出さない。何かの繋がりを探し始めた途中、以前にいただいたお便りの中に、ここの文体は辻邦生の香りがするというような言葉があったことを思い出す。辻邦生さんの書いたものは何冊か日本の書架にあるはずだが、ほとんど読んでいない。もう20年も前になるだろうか。仕事に忙しくしている時だったので、静かで内省的な文章が何とも退屈に感じられ、すぐに眠くなった。その作家の名前が出てきたので驚いたが、その時は何もしないままだった。それが昨日浮かび上がってきたのだ。

辻邦生、1925年(大正14年)9月24日 - 1999年(平成11年)7月29日

早速、ウィキに行ってみたところ、ある繋がりが現れた。その中にこういう記載があったからだ。

「パリ在住の地はポール・ヴェルレーヌがその息を引き取った建物の左隣であり、5区のRue Descartesに位置する。ヴェルレーヌと並んで記念プレートが掲げられている」

その場所であれば、金曜のセミナーの後にも前を通り、ほぼ2年前にはヴェルレーヌの終の棲家で食事もしている。

ムフタール通りで旧研究室メンバーと (2009-09-18) 

今日の写真はその時に撮ったもの (去年のことではないかと思って探したが、出てこなかった)。上はポール・ヴェルレーヌが1896年1月8日にここで亡くなったことを示すプレート。一緒にあるという辻邦生さんのプレートがどこかに写っていないかと思い探したが、そちらは見つからなかった。

何ということもない繋がりだが、この程度のことですっきりする今日この頃。辻邦生さんの文章を今読み直すと違う印象を受けるのだろうか。おそらく、そうではないかという予感がする。日本に行った時には確かめてみたい。




2 commentaires:

  1. 以前辻邦夫さんのことをコメントした聴雪です。
    彼の作品は若いころに読んでいました。
    「モンマルトル日記」というのがあり、そのころ留学から帰って仕事をはじめ、留学時代のことが忘れられないころに読んで、いいなあと思っていたかどうか、、、
    フランスに興味を持った今、それをまた読んでみたい。日記は、その人の日常を感じられるので、その人の作品よりも興味深いところがあります。

    去年フランスに行ってモンマルトルを歩いているとき、その日記のことが頭に浮かび、この辺に住んでいたのかもしれないと、きょろきょろしました。次行ったときは、5区のRue Descartesに是非行こうと思います。

    ポールさんのブログのことですが、こちらとあわせ、ハンモックも昔のものからひとつづつかみしめるように読ませていただいております。ポールさんとの出会いは私にとって大変重要で幸福なもので、この出会いに感謝しております。
    私事ですが、ブログの中にでてくる本を書きとめて、どれから読もうかとこの5ヶ月間やってきましたが、今は、モンテーニュのエッセに釘付けです。フランス語も毎日欠かさず勉強を続けて、今では単語はまだまだですが、少しずつわかるようになってきました。原書にトライし始めていますが、モンテーニュは古典語もはいっているし、彼の文章は長いものが多く、訳を見ずに自分で読み解こうとするとかなり時間はかかりますが、
    内容が充実しまくっているので、時間を忘れてしまい幸せな時間をすごしています。昨夜は、初めて少し肩がこってしまいましたが。知識ということではなく、ものの見方が似ている人に出会うとこれほどうれしいものかというぐらい興奮しています(自己愛ということではないと思っています)。興味深いです。ポールさんとの関係も同様です。

    こちらのブログは内容が詰まって長いものが多いので毎日ついていくのが大変ですが、楽しみにしています。

    今日はロミリーの「言葉の庭」の原書を発注しました。feuilleterができないので読めるかどうかわかりませんが、邦訳がないのでまずこちらに決めました。エッセや、失われた時を求めては邦訳がありますから。
    また、お便りさせてください。

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  2. 聴雪様
    コメントありがとうございます。
    以前にいただいていたコメントがスパムに入っていたことを本日知りました。長い間失礼いたしました。

    こちらのブログで充実した時間をお過ごしとのこと、嬉しく思います。今、モンテーニュを読んでおられるようですが、教条的にならずにものを見、考えた人のようです。フランスの一つの基盤を作っが人ではないかと思っています。辻邦生さんのものはこちらにはないので、いずれ読んでみたいと思っています。どのような感想が浮かんでくるのか、楽しみでもあります。

    過去の人との語らいが実り多きものでありますことを願っております。

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