5月に入った。本当に時の流れは速い。先週金曜のル・モンドは読書特集。久しぶりだ。わたしに関係した方の話題がいくつか出ていた。まず上の写真。「小川洋子が脱ぐ」 という記事。原稿零枚日記 (2010) が Manuscrit zéro として訳されたのを機に、芦屋の自宅でのインタビューとなったようだ。強迫観念、不安、幻想、一見安穏に見える日常など、作家の内的世界が描かれているとのこと。
小川洋子 「ブラフマンの埋葬」 "L'ENTERREMENT DE BRAFFMAN" (2006-11-06)
映画 「薬指の標本」 "L'ANNULAIRE" DE DIANE BERTRAND (2006-12-04)
「放浪の」(errant)と形容される人間に興味がある。ニーチェもそうだが、サンドラールさん (1887-1961) もその範疇に入るだろう。今回、「旅立つ」 という彼のアンソロジーが出たことを " Cendrars, tout au bout du monde " (サンドラール、地の果てまで) というタイトルの記事が紹介していている。パリの自宅での写真もなかなかよい。
Partir : Poèmes, romans, nouvelles, mémoires (Quarto, 2011)
「わたしはオフィスの人間ではない。未知なるものの声に逆らうことができなかった。書くということはわたしの性質とは正反対のもの。蠢く街を想いながら壁に囲まれ原稿用紙を埋めて行く作業は地獄に落とされたようなものなのである」
ブレーズ・サンドラール BLAISE CENDRARS (2006-09-17)
それから広告欄に懐かしい方の顔が出ていた。もう6年前になる。パリを訪れた時に入った小さなリブレリーで、自著の宣伝のためお客さんを待っていたのがこのデュトゥルトゥルさんだった。お元気で活躍中のようで嬉しくなる。
小さな出会い - ブノワ・デュトゥルトゥル BENOIT DUTEURTRE (2005-06-22)
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