« Le hasard n'existe pas, il n'y a que des rendez-vous » (Paul Éluard)
「偶然は存在しない。あるのは約束された出遭いだけだ」(ポール・エリュアール)
vendredi 29 avril 2011
マセナ・ヴィラでフリードリヒを発見
ニース最終日。メサナ美術館の入場券をもらうためにブティックに立ち寄った。少しだけ本が置いてあったので覗いてから入ることにした。そこでカスパー・ダーヴィト・フリードリヒ(Caspar David Friedrich, 1774-1840)というドイツの画家の小さな画集が目に入った。ニーチェつながりではないと思う。氷のような白さとこの絵の中の物語に惹かれたようだ。彼らはそこで一体何をしているのだろうか。そんな不思議な感覚が襲っていた。
そして裏表紙がフリードリヒの友人、ゲルハルト・フォン・キューゲルゲン (Gerhard von Kügelgen, 1772-1820) の手になるフリードリヒであった。若き日のこととはいえ、何という挑戦的な面構えをしていることだろう。早速、中を見ることにした。
最初に出てきたのが、こちらも友人のゲオルク・フリードリヒ・ケルスティング(Georg Friedrich Kersting, 1785–1847) が描くフリードリヒである。あっさりとしたアトリエで、あっさりしたパレットを持ち、何を思うフリードリヒという感じで、一気に親しみが湧く。
ここに描かれた人間は一体どんな会話をしているのか。
あるいは、そこには沈黙が流れているだけのか。
そして、この男は何を思うのか。この絵にはどういう意味があるのか。どこかで見たウィリアム・ブレイク(1757-1827)にも似たような構図があったような記憶もあるが、当てにならない。とにかく、どの絵にも何か一言差し挟みたくなるのだ。そして、風景もよい。
思わぬところから現れたこの画家のことを少し調べてみたい。
そんな気分でニースから帰ってきた。
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