vendredi 27 juillet 2012

ガストン・バシュラールさんのお話を聴く




汗をかきながら、ガストン・バシュラールさんGaston Bachelard, 1884ー1962) の追悼番組を観る
パリではモベール広場(Place Maubert)の近くの小さなアパルトマンに住んでいたという
この広場にはよく顔を出すが、なぜか落ち着き、気に入っているので不思議な思いで眺める

春全開のパリで古本市(2012-05-13)

アパルトマンには懐かしい雰囲気がある
わがアパルトマンに散乱する本を眺めながら、こんな想いが湧く
バシュラールさんのような書斎に変容すれば素晴らしいのだが、、、

 科学と技術を歴史と哲学から研究しているIHPSTという研究所がある
バシュラールさんはそこの初代所長を務めた
その後を継いだのが、ミシェル・フーコーさんの先生に当たるジョルジュ・カンギレムさん (1904-1995)
お二人の姿も出てくるが、実はカンギレムさんが語る姿を見るのは今回が初めて
カンギレムさんはわたしにとっては因縁の方なので嬉しい限りだ

健康とは - ビールの最初の一杯 (2005-03-17)


この映像を観ていると、最初にフランス映画、広く言えばフランス文化に触れた時の不思議な感覚が蘇ってくる
それはバシュラールさんのアパルトマンに感じたような懐かしさなのかもしれない
さらに大きく言うと、外ではなく内、未来ではなく過去への憧憬だろうか

と同時に、それまで見慣れていた建前を明るく語る人間とは違う人間が現れたことだろう
それぞれが自分やこの世界と真剣に向き合っている姿をそこに見たのである
「いま・ここ」 に生きている時には、なぜこんな面倒くさいことをしているのかと思っていた姿でもある
それゆえ、すべてが新鮮に映ったのかもしれない

バシュラールさんは科学と詩の両方に興味を持ってきたという
自らの周りのすべてのものに興味を持ち、目に触れる本は何でも読んだという
カンギレムさんもフーコーさんもこの点を強調している
この精神の動きには惹かれるものがある




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