jeudi 22 décembre 2011

この喉を可愛がりながら



今日も風邪を可愛がりながら過ごす。
この声、なかなかいけるのではないか。
そんな印象を持つに至った一日だった。

夕方、同じアパルトマンにお住まいのご婦人と一緒になる。
これまで一度もお話したこともないし、どちらかというと苦手な感じの方である。
ところが声を掛けられ話し始めるとどうしたことだろう。
太く深い声のお蔭で、話しているのが自分ではないような錯覚に陥る。
自意識過剰にならず、すらすらと話が進んだのである。


病気はなぜなくならないのか。
わたしの底を流れる疑問の一つである。
病気になると、それまで気付かなかったことが見えてくることがある。
その意味では、人生に深みを与えてくれるものの一つかもしれない。
ただ、この場合の病気は正確には病気ではなく、健康と言ってもよいものだ。
フランスの哲学者によると、その定義はこうなるからだ。
健康とは病気にならないことではなく、そこから戻る力があることである。

少なくとも新たなものを発見する契機として、非日常があるとは言えるだろう。
積極的に非日常に入るのもよいだろう。
飛び込んできた非日常と付き合う余裕も大切だろう。


新たな発見が待っているかもしれないと思うと、もう少しだけ今の状態と付き合ってみたい気にもなってくる。



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