今年の免疫学会の最後は、ストレス理論で有名なハンス・セリエ博士 (Hans Selye, 1907-1982) の言葉を出して締めくくった。それは problem-finders と problem-solvers の対比である。科学者が狭義の問題解決者であるとすれば、領域を広く見渡して問題を見つけ出す人も必要になる。それが科学者であれば科学者としては理想的だが、必ずしも容易なことではない。その役目は科学者に限る必要はなく、哲学者がそこに絡んできてもよいわけである。いずれにしてもこの両者の相互作用が必要であるというところで話を終えた。
これまでにしばしば気付いてきたことだが、人類の長い歴史の間には同じことが別の言い方で表現されていることが稀ではない。例えば、以下の記事にもいくつかの観察結果が取り上げられている。
太陽のもと新しきもの・・・ RIEN DE NOUVEAU SOUS LE SOLEIL ? (2005-12-30)
そして、今回の日本で読んだホイヘ・ルイ・ボルヘスさん (Jorge Luis Borges, 1899-1986) の 「詩という仕事について」 という本の中で以下の引用を発見し、学会との繋がりを感じる。
「新しい問題を見つけることは、古くからの難問の解法を発見するのと同じ程度に重要なことである」
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