昨日今日と日差しが強い。オランジュリーの残り香が微かに流れている。この方の絵も周りから浮き上がっていた。それだけ特徴があったということだろう。
マリー・ローランサン (Marie Laurencin、1883-1956)
ウィキで人生を眺めていると、あーーあの人がこんな絵を書いていたのかと繋がる。ギョーム・アポリネール (1880-1918) が書いた 「ミラボー橋」 の人として覚えていたからだ。
彼女が絵の勉強している時にジョルジュ・ブラック (1882-1963) と知り合い、1907年にアンデパンダン展に初めて出品。その年にピカソ (1881-1973) の紹介でギヨーム・アポリネールに出遭う。そこから始まったアポリネールとの激しい関係は1912年に終わりを迎える。その前年に起こった 「モナ・リザ」 盗難事件で彼に嫌疑がかけられたことが大きかったようだ。「ミラボー橋」 は彼女への思い断ち難く作ったとされている。レオ・フェレさん (Léo Ferré, 1916-1993) が曲を付けている。
モンマルトルのアトリエ洗濯船 (Le Bateau-Lavoir) ではアンリ・ルソー (1844-1910) などとも会っており、18歳の時にはセーヴルで絵付けを習っていたという。日本人好みなのだろうか。彼女の美術館が蓼科高原にあるとのことでそのページに行くと、今月いっぱいで閉館になるようだ。
セーヴルで陶磁器を味わう、そして井上靖へ (2010-09-07)
マリー・ローランサン美術館
Le pont Mirabeau
Et nos amours 二人の恋が
Faut-il qu'il m'en souvienne なぜこうも思い出されるのか
La joie venait toujours après la peine 喜びはいつも苦労のあとに来たものだ
Vienne la nuit sonne l'heure 夜よ来い、時鐘 (とき) よ打て
Les jours s'en vont je demeure 日々は去り行き私は残る
Les mains dans les mains restons face à face 手に手をとって向き合ったままでいよう
Tandis que sous そのまにも
Le pont de nos bras passe 二人の腕の橋の下
Des éternels regards l'onde si lasse 永遠のまなざしに疲れた波が過ぎ行き
Vienne la nuit sonne l'heure 夜よ来い、時鐘 (とき) よ打て
Les jours s'en vont je demeure 日々は去り行き私は残る
L'amour s'en va comme cette eau courante 恋は去り行く ここに流れる水のように
L'amour s'en va 恋は去り行く
comme la vie est lente 人生の歩みののろさ
Et comme l'Espérance est violente そして 「希望」 の狂おしさ
Vienne la nuit sonne l'heure 夜よ来い、時鐘 (とき) よ打て
Les jours s'en vont je demeure 日々は去り行き私は残る
Passent les jours et passent les semaines 日々が過ぎ 週また週が過ぎて行き
Ni temps passé 過ぎた時も
Ni les amours reviennent 恋もまた戻って来ない
Sous le pont Mirabeau coule la Seine ミラボー橋の下 セーヌが流れ
Vienne la nuit sonne l'heure 夜よ来い、時鐘 (とき) よ打て
Les jours s'en vont je demeure 日々は去り行き私は残る
(安藤元雄訳)
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