mardi 1 mai 2012

永遠なる救済のノートルダム教会での演奏会


 ハイドン「ネルソンミサ」(Nelson Mass)のリハーサル風景


昨日は夕方からペール・ラシェーズ墓地(Cimetière du Père-Lachaise)前にある永遠なる救済のノートルダム教会 (Notre Dame du Perpétuel Secours) に向かう。数名の古くからの友人が参加している北海道交響楽団のパリ公演を聴くためであり、旧交を温めるためでもあった。演奏は、写真のネルソンミサのリ ハーサル(トマ・カレ指揮)と本番のシベリウスの交響曲第3番(川越守指揮)、ラルマンの日本組曲(Petite suite nippone、ベルナール・ラルマン指揮)を聴いた。教会での演奏は何度も聞いているが、音響が心地よく、どこか手の届かないところへと音を運び、どこか手の届かないところから音が降りてくるという印象がある。日本ではな かなか味わえない空間と空気の振動が心を鎮めてくれる。

この中の日本組曲では荒城の月(滝廉太郎作曲)、赤とんぼ(山田耕作作曲)、さくらさくら(古謡)などがパリ仏独合唱団(Chorale Franco-Allemande de Paris) によって歌われ、曲も素朴な作りになっていて印象に残った。どなたかが里心がつくのではないかと言っていたが、日本の名曲を教会の響きの中で聴くというなかなかめぐり合うことのない幸運を味わった。今書きながら作曲者と指揮者が同姓であることに気付く。早速ウィキに行ってみると、この演奏は作曲者 Bernard Lallemant さんご自身の指揮によるものであることが明らかになった。その場で気付いていれば作曲のいきさつなどお話を伺うことができたのだが、残念である。



開演前のフランス人(右)とドイツ人(左)によるご挨拶


なぜこのようなフランス公演が実現したのかに興味が湧くが、共演のパリ仏独合唱団が日本公演をした時からのお付き合いで、何年か前にもオランダとパリで公演を行ったとのことであった。年配の合唱団員のお話では、ドイツとフランスの間には2,000以上の姉妹都市・コミュニティーの関係があり、政府レベルだけではなく市民レベルでも文化交流を密接に行っていると誇らしげであった。団員のドイツ人はパリ 在住だが、オルガニストの女性は旧東ドイツのドレスデン近郊のお生まれで、この演奏のためにパリに来られたとのことであった。

上の写真にある開演前のちょっとしたセレモニーでも、その前に地下にある控室で行われた記念品の交換を含む交歓会でも、形式をいたずらに崩すことなく、相手に対してきっちりと礼を尽くそうとする心が表れていた。この風景を見ながら、ある型に嵌めることによってこそ心が伝わるというおそらく古来から日本にもあるであろう哲学が最近忘れられつつあるのではないか、と改めて自問していた。




開演前の休憩時間に古くからの友人数名とご家族も交えてお話しする機会があった。数名の中には40年ぶりくらいの方もおられ、記憶を辿るのか難しい場面もあった。時の流れは自らにも容赦なく変容を迫っているのだろうが、そのことは目に入らない。少なくとも女性には優しい言葉が必要だったのかもしれないと反省することしきりの朝である。

この年代の方には哲学的なお話は比較的抵抗なく受け入れられるようにも見えた。これから先に控えていることは一つしかなく、古より哲学する上でのモチベーションにもなっている。最後は哲学と神学しか残っていないとは指揮をとられた御年80歳の川越氏の励ましのお言葉であった。また、仲間からもパリでの学生生活を心配するお心遣いをいただいた。これからリヨンでの公演が待っているとのこと。道中の無事と公演の成功を願う朝でもある。








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