mercredi 16 mai 2012

思いもかけぬカルチエ・ラタンのデジュネ

オデオンのジョルジュ・ダントン(Georges Jacques Danton, 1759-1794)


いつも突然連絡してくる人がいる。
しかも、決まって前日の夜だ。
今だからこそ、静かに受け入れることができる。
ということで、今日のデジュネをご一緒することになった。

オデオンのダントン像の前で待ち合わせ、ご指定のレストランに向う。


(Institut de recherches cliniques de Montréal, Canada)


突然連絡をしてきたのは、以前のブログで取り上げたことのあるカナダのアンドレ・ヴェイエットさん。南仏風の黄色い壁のこじんまりとしたレストランで、相席のテーブルに案内される。丸いテーブルには他に一人で来られた女性お二方が座っていた。

それぞれの近況を語り合った後、アンドレさんは今村上春樹を読んでいると言ってきた。わたしは読んだことがないので印象を聞いてみると、こんな評価であった。ところどころに哲学的な要素も組み込み、物語は全体によくできている。日本らしさがないという批判が出るのもわかるくらい無国籍な雰囲気があるとのこと。

これからのことを聞かれたので、あと1-2年?と答えると、どんどん延ばしているのではないかと疑われる。それならば、と言って想定外の助言をしていただいた。それは一考に値するものであった。


Mme. Eliane Daudigny et Président François Hollande


われわれが英語で、したがって大きな声で話していると、隣のお客さんが話しかけてきた。お一方は、写真のエリアンヌさん。ご主人はエーヌ県( (Département Aisne) の議員さんで、ご自身は小学校の先生をされていたとのこと。社会党支持で、昨年撮ったという新大統領のオランドさんと写っている写真を見せてくれる。それから大統領就任式の昨日、オランドさんが行った演説のことを話していただく。これから5年間のポイントとして、若者、教育、政教分離の尊重を挙げ、特にマリ・キュリーさん(Marie Curie, 1867-1934)に敬意を示しながら研究の重要性も強調したという。世情に疎い者にとってはありがたいお話であった。

実は、先日の日本で感じたことを最近エッセイとしてまとめたが、そのポイントも若者と教育に収斂するものになった。いつまでもこの問題を放置すると、いずれ手が付けられなくなるように感じているのはわたしだけだろうか。

もうお一方は、パリジェンヌ。ご自身の写真は駄目とのことで残念ながら紹介できない。そのかわり、われわれの写真を撮っていただく。こちらの先生はカナダの大先生で、などと紹介しようものなら、パリでは prudent でなければなりませんと注意される。予想もしない出会いとなったこのデジュネをブログに載せるかもしれないと話すと見てみたいとのことで、仏版のものも併せて紹介した。何か反応はあるだろうか。


やはり、外には出てみるものである。
何かが待ち受けている。

今日もリブレリーに寄り道。
益々集中からは離れる方向に向かっている。
今そこにある悩みの種である。




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