Dr. Pierre Basset (Centre Hospitalier de Chambéry, Université Paris-Sud)
昨日は緩和医療の倫理学についてのお話を聴くために大学まで出掛けた
緩和医療の現場の責任者がこの問題をどう考えているのかに興味があったからだ
丁度書いたばかりのエッセイのテーマがこの問題と関係があったことがその背景にあるようだ
緩和医療にどう向き合わなければならないのか
緩和医療は分野横断的な構造を持っていなければならない
単純には片付かない状況でどのように対応するのか
倫理的なリフレクションにおいて注意すべき点がいくつかあった
専門家、非専門家の枠、ヒエラルキーや形式を取り払うこと
その上で、すべての人が同じ地平に立ち、そこにある問題について一緒に考えるようにすること
その結果明らかになったことを、すべての人がわかる簡明な表現で外に開いていくこと
目の前の問題には常に複雑さが伴うが、それを解き解す必要がある
お話の中には「レフレクシオン」や「レフレシール」という言葉がよく出てきた
今起こっていることについて振り返ること、いろいろな規範についての知識や時間を要する営みである
それから、治療のための医療とそれ以外の医療が二分法で語られることが多い
しかし、その間に明らかな線を引くことができない場合がある
治療のための医療だからと言って、緩和医療で問われる問題から逃れることができないことになる
最後に、緩和医療で問題になる倫理的視点を持った医療関係者の育成をどうするのかという問題が出ていた
日本の状況はどうなのだろうか
質疑応答での印象は、問いの出方が複雑に絡み合いながら繋がっているというる印象があった
それは問題の複雑さ、ニュアンスがそうさせているのだろう
つい最近までわたしの視野の外にあった医学哲学や生命倫理
これから注意を向ける領域になっていくのだろうか
大学界隈も春到来である
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