dimanche 1 juin 2014

最終日はサン・テミリオンへ


予想された悪天候もほんの一瞬雨に降られただけで、今日も太陽が覗いている

最終日はユネスコの世界遺産に登録されているというサン・テミリオン(Saint-Émilion)へ

この地のワインはサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼途中の旅人たちの間で評判になったとのこと

先日の出会いと繋がっている

しかし、今日の繋がりはそれどころではなかった



ボルドーからサン・テミリオンへの車中、向かいに座ったお一人がこの方

イギリス人で今はタイにお住まいとのこと

それだけでは驚くに当たらない

何とサンティアゴ・デ・コンポステーラへの旅を33日で終えたばかりで、ボルドーで体を休めているところだという

Camino に出るのであれば、と言っていろいろな助言をいただいた

そのアドバイスが必要になる日は来るのだろうか




 そして、こちらの若者はニューヨーク生まれの中国系アメリカ人で、現在はシアトル在住の27歳

彼もサンティアゴ・デ・コンポステーラへの旅を2週間やったことがあるという

その道中、毎朝柔軟体操をしてから歩き始める85歳と79歳の日本人老夫婦に会ったという

四国八十八箇所のことも知っていた

瞑想することが気に入っているようだ


大学を出て5年間、世界の旅に出ているが、アメリカに帰ったらメディカル・スクールに入りたいとのこと

わたしの話を聞いた後、彼はこう言った

「あなたはこの世界に偶然はないと思っているでしょう」

このブログの頭にある言葉を教えると、納得したようであった




今日は間違って動画撮影モードにもなっていたようで、こんなうれしい映像が現れた

本当に誤謬は豊穣の母である

Camino でもらった証明スタンプを見せてくれた

大切な記念のようだ




ボルドーから40分ほどでサン・テミリオンに着いた

駅から田舎道を20分ほど歩くと、町の中心部に










気持ちの良い天候になってくれた

ここの伝統的なマカロンは有名なようだ

サン・テミリオンということで、開いていた無料のカーヴを覗いてみた










ひんやりしたカーヴで暫しの時を過ごす

どこを切り取っても絵になるのに驚く







そして、最後にまた一つ驚きが待っていた

帰りのサン・テミリオン駅に早く着いたのでホームで休んでいると、若者が声を掛けてきたのだ

完璧な日本語で



アレックスというその若者の話を聞いてみると、福岡に1年、東京に1年滞在していたという

今はサン・テミリオンのシャトーで仕事をしながら、芸術活動をしているとのこと

子供の時に写真で見た日本の風景が気に入り、それ以来日本文化に興味が湧いたという

こちらで日本語を学んでいたとはいえ、僅か2年でここまでの日本語を話すことができるとは

わが身を振り返ると、驚異的である

日本ではバーでアルバイトもしていたとのこと

フランス語を上達したければ、バーに勤めたらどうですかと冗談を飛ばしていた


日本の生活では、こちらとは違う人間関係を知ることができたという

彼の言葉で言えば、こちらはコンフリクト(争い)の文化だが、日本にはそれがない

日本で暮らしている場合にはそれでよいのだろうが、世界に出ると大変だという認識

それから言葉で表現することが苦手に見えたという

外国語どころか、日本語で「もの・こと」を表現するのが上手ではないと言うのだ

おそらく、説明しなくてもよいような人間関係の中にいることが原因ではないかという推測

内輪の話に終始しているため、「もの・こと」を外から眺めて客観視した上での話ができなくなる

 そのことを日本の友人に話したことがあるようだが、よく理解してもらえなかったようだ

 こちらの時間が長くなったその目で日本の様子を見ると、彼の言いたいことがよく分かる

自らを省みても、一瞬一瞬に頭を絞って言葉を選び出すという作業が行われていないことに気付く

貴重な観察と指摘であった



今日も最後まで興味深い出遭いがある一日だった

明日、パリに戻る




Aucun commentaire:

Enregistrer un commentaire