jeudi 12 septembre 2013

古都奈良の大学で、科学を聴き、哲学を語る

田村眞理(東北大学名誉教授)、渡邊利雄(奈良女子大学)の両氏


今日は朝から奈良に向かう

この3月で退職された田村眞理先生の研究集大成のお話の後に、科学の哲学について語るためである

このようにback-to-backで科学と哲学の話が続くというのは、これまでに経験がない

ホストの渡邊氏のアイディアが面白い

これからは科学と哲学が積極的に向き合うことが重要になると考えている者にとっては、嬉しい企画であった

渡邊氏にはこの場を借りて感謝したい


質疑応答で感じたこと

これからの人と長い間研究に身を捧げてきた人とでは、哲学に対する渇望の程度に差があるのではないか

 ある程度経験がある人の場合には自らの状況を振り返るようになる

それは哲学的なものを自然に求めることでもある

その必要性についてはすでに気付いていることになる

それに対して、若い人たちの場合には哲学に向かう必然性は少ないのではないだろうか

科学の中で如何にして成功するのかを第一に考えるからだ

そのような精神状況の人に対するには、なぜ哲学なのかについての丁寧で説得力のある説明が求められる

それが充分にできていないと、若い人にはなかなか伝わらないのではないか

ただ、時が経つにつれて昔聴いた記憶が蘇ってくることはあるかもしれないのだが、、

いずれにせよ、語り続けることがわたしのような立場の人間には必要になるのだろう

質疑応答の中でも触れたが、科学が圧倒的な力を持っている現代社会において、人文の側が余りにも非力なのだから


講演終了後、研究室の大学院生との会話から感じたこと

現代を生きる若者の意識がわれわれの時とは違い、選択の幅が出てきているのではないか

昔よりは自由に考えているという印象を持った

多様な価値を認め、その意味を考える人が増えてきているのはよい兆候ではないだろうか

専門を超えて考える視点を持つことの意義を語ったつもりだったので、嬉しい発見であった


大学構内もそうだったが、奈良の街を歩いているとどこか時の流れが緩やかに感じられる

心落ち着く滞在となった





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