lundi 12 mars 2012

レンヌ美術館で7年前の堀田善衛さんとラ・トゥールさんに繋がる


Le Nouveau-né
Georges De LA TOUR
(1593-1652)
Huile sur toile 76 x 91 cm
Saisie révolutionnaire, 1794
Musée des beaux-arts de Rennes



よもや、こんなことが起こるとは想像もしていなかった

しかも、調べてみると7年ほど前とぴったり繋がっているとは驚きである

昨日はシネ・カンファランスの後、ブログをアップしてから美術館に出掛けた

学生として、ゆっくり写真を撮りながら2時間ほど彫刻と絵画の世界に入る

そして、そろそろ閉館なので出ようとしたその時、最後の部屋でこの絵が現れてくれた





帰り道、そう言えば堀田善衛さん(1918-1998)がこの絵を見るためにどこかに旅行したと書いていたのでは、と思い出す

「美しきもの見し人は」という本の中で

この本を覚えていたのは、ヴァレリーさん(1871-1945)がヨーロッパに特徴的だとした科学精神について触れていたからだ

堀田さんはこんなことを語っていた

日本にはヴァレリーさんが言うところのヨーロッパの三大要素 「ギリシャ」、「キリスト教」、「科学精神」 がない

そのため、勉強しなければ彼らの美を味わうことができないのだ、と

このことはパリに戻ってから確かめることにして、ブラスリーに向かった




Tête de femme, à la coiffure d'époque claudienne


レンヌ最後の夜のブラスリー、サービスは今ひとつだったがウィフィはあった

試しに 「堀田善衛*ラ・トゥール* レンヌ」で検索してみた

驚いたことに、最初に出てきたのが冒頭と同じ絵が添えられたハンモックのこの記事であった

「美しきもの見し人は」  YOSHIE HOTTA - UN ECRIVAIN MEDITATIF (2005-8-30)


読んでみると、そこでレンヌのラ・トゥールについて触れているではないか

「この一枚の絵(新生児 Nouveau né)を見るためにパリから汽車に乗ってレンヌまで行き、さして大きくもない、タテ76センチにヨコ92センチのこの絵の前に立って、私はやはり来てよかったと思ったのであった。
  はじめにも言ったように、私は漠然とした関心をしかもっていなかったのであるけれども、現物の前に立って、やはり心を動かされた。キリストを心にもちながらも、新生児というものを医学的なまでにもレアルに描いているその嬰児像、目を伏せて見守る若い母親、それと右手をあげて蝋燭の光りをさえぎっている女との、この三つの存在をじっと見詰めていて私は、ああ人間が生まれるとはこういうことだったのか!とつくづくと思いあたったという思いにうたれた。」
堀田善衛 「美しきもの見し人は」(朝日選書、1995年)

本で読んだところまでは覚えていたが、ブログに書いているとは思ってもいなかった

ひょっとすると、ブログに書いたので記憶に残ったのかもしれない

こういう繋がりをこよなく愛する者だが、滅多にあることではない

疲れが吹き飛び、一気に気分が解放された



Messaline
Salon de 1884
Eugène Cyrille Brunet
(1828-1921)




Musée des beaux-arts de Rennes



Aucun commentaire:

Enregistrer un commentaire