dimanche 6 juillet 2014

哲学者の人生とは



こちらに来る年の初め、御茶ノ水駅に差し掛かった時、以下のフォルミュールが頭に浮かび、控えた

これは個人の生のレベルの問題だが、こちらに来てからもう一つのレベルが加わった

それは、人類の遺産の総体とともに生きるという感覚である

 もちろん、その全体に迫ることは不可能だろう

しかし、意識の上では二千数百年の人類の遺産を自分の横に携えて生きようとしている


先日、アルチュセールの非哲学者に向けた哲学入門に同じような一節を発見した

Initiation à la philosophie pour les non-philosophes
 
より正確には、その一節を読み、上の過去が蘇ったのである

哲学者は過去の哲学者をいつも読み直すという

一度読んだからといって終わることはなく、何度も何度も読み返すのが哲学者だという

一度何かが分かったらそのことは捨て去ってどんどん先に行く科学者をしていたので、その違いがよく分かる

こちらに来て出遭った言葉に、「哲学とは解決済みの問題についての科学である」というのがある

レオン・ブランシュヴィックの言葉だが、読んですぐにピンときた

哲学は、いかに偉大な哲学者が挑んだ問題だとしても、その問題は依然としてそこにある

なぜか勇気が湧いてくる言葉でもあった


アルチュセールの「哲学者の人生は人類の遺産の中に生きること」という言葉はわたしの中によく響いてくる

それは過去に生きることだが、その中にいる時には時間や歴史が消えているという逆説もある

遺産が時を超えて一つの平面に並べられているというイメージを描くと分かりやすい

こちらでの時間の中で、この感覚も体が覚えてくれている

ただ、過去の哲学者の書を読み、そして読み返すということをはっきりと意識してはいなかったように思う
 
これから先の一つの道標になりそうである





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