jeudi 5 juin 2014

フランス語の二つの表現について


先日のボルドーでのこと

改めて、フランス語の二つの表現についての考えが巡った一瞬かあった

フランス語を始めて早い時期に気付いたことなので、どこかで触れているかもしれない


ひとつは « A, c'est B. » である

日本語では 「A、それはBである」 となる

日本語でも英語でもあまり使った記憶がなかった文型なので、すぐに気付いたのではないかと思う

一つの 「こと」 をまず目の前に投げ出し、それを眺めてその姿を説明する、というニュアンスがある

今回のことであれば、まず 「旅」 という言葉を投げ出し、その後に 「それは・・・」 と続けることになる

「旅」 という 「こと」 を定義する作業が後に続くのである

 つまり、一つの言葉が指し示すことについて考えること、省察することが求められる

もちろん、日常の会話では何気なく使われているのだろう

しかし、この文型に出会った時、省察の重要性に気付くと同時に、それまでの欠落が見えたのである

この文型、今ではわたしの日本語の中に入り込んでいる

大胆に言えば、この文型こそ哲学の姿かもしれない

一つの言葉を投げ出し、それについて説明することは、よくよく考えると至難の業である

忙しい日常に追われていると、そんなことをしている暇などない

日常に必要なところで止めて次に進むのである

それをやるのが哲学者かもしれない


 もう一つは、一人で言う « Pourquoi ? Parce que... » である

日本語では 「なぜでしょう?なぜならば・・・」 となる

まず自らに疑問を投げかけ、それについての持論を展開する文型とでも言えばよいだろうか

 この文型が使えるためには、ある 「こと」 について 「なぜ」 の疑問が先になければならない

その上で、その 「こと」 について考える作業が続いていなければできない文型である

「こと」 に当たる時には省察が必須であることを教え、意識させる文型でもある

また、この文型は議論すること、説得することが日常でない場合には必要ないだろう

日本では使ったことがない

改めて、議論ということをして来なかったことに気付く

もちろん、議論のトレーニングなど受けたこともない

どこか深いところに 「問答無用」 の精神でも流れているのだろうか





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