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昨日は月に一度のセミナーのため、大学の研究所へ。
メトロのエスカレータから空を見上げると、嬉しいことに昼の月。
訳もなく今日もよいことがありそうな気分になる。
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今日の演者はユージン・クーニンさん。クーニンさんを初めてお見掛けしたのは、昨年パスツール研究所であった "Viruses of Microbes" (微生物のウイルス) というシンポジウムだった。自らの主張を体から発し、積極的に議論を吹っ掛けるようなところのある日本では見かけないタイプの研究者で、強い印象を残した。どんな会でも最低一人は必要になる貴重なタイプである。
モスクワの大学で生物学の教育を受けた後、1991年から現在の場所で研究をされている50代半ばの研究者になる。始まる前にお話をさせていただいたが、相手の話を誠実に聞き、自分のすべてを動員して誠実に答えるというタイプの人間であることがわかった。研究の発表になるとそれがさらに強調され、体から脳髄がはみ出しているのではないかと思えるくらい、体と思考が密に絡み合っている。研究のためだけに存在しているような印象さえある。その姿勢は、発表が終わった後に哲学科の院生がクリテークをした後にもはっきりと表れていた。
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Dr. Koonin & Mlle. Frédérique Théry
ところでこの7月のこと。メトロの表示が躍っていて、一瞬だがどこにいるのかわからなくなった駅があった。しかし今日通り過ぎたところでは、元通りに戻っていて落ち着く。前のものは仮の表示だったのかもしれない。よく見ると、確かにロックしている。セミナー終了後、何人かの方からあなたの intuition は冴えていましたね、と声を掛けられる。今年ノーベル賞を貰ったジュール・ホフマンさんの写真とともに日本の学会誌にこの会について小さなエッセイを書いたことを彼らに伝えていたからだ。確かに、発表の後に学会誌が手元に届いたのでその驚きも理解できないこともない。
La transformation du savoir scientifique en savoir général (2011-10-2) 学会誌の仏訳
ジュール・ホフマンさんらにノーベル賞 (2011-10-03)
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La transformation du savoir scientifique en savoir général (2011-10-2) 学会誌の仏訳
ジュール・ホフマンさんらにノーベル賞 (2011-10-03)
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2011年7月1日
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2011年10月20日
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